【農業の雑学】第16回目「害虫と農薬」その6

| コメント(0) | トラックバック(0)

どうも標です。

約1ヶ月ぶりに農雑をしたためているわけなんですが、

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私は2回も体調を崩しました。

ぶり返したとも言いますが(笑)

収穫の秋、食欲の秋と言いますんで、

どうかお体にはお気をつけて欲しいと思います。

さて、その6と進んできました「害虫と農薬」ですが、

一つ、ご拝見の皆さんに言っておかなければならないことを

忘れていました。

お気づきの方もいると思いますが、

この「害虫と農薬」は私の知識だけではなく、

書籍や学生時代のノートも使ってやらせてもらっています。

そうでなければ害虫の名称を細かく書けるわけがありません(笑)

それに、書籍に書いてある専門用語を読んでも

意味分からないので補足を付けたりしています。

書籍と農林時代のノートと私の知識の3つがかみ合わさったのが

今回の長編です。

言い方としては「完全版」とでも言うのでしょうかね?

まぁ、何にしてもどうかお付き合いいただきたいと思います。


今回は細菌による病気の話です。


・細菌の特徴

細菌はカビと異なり、1つ1つが独立した小さな単細胞の微生物です。

その形は桿(かん)、球、螺旋、糸状などいろいろなものがありますが、

作物に病気をおこす細菌は、ほとんどが桿状です。
(桿:竿のような形のことです)

桿状細菌の大きさは、1.2から3μm、幅0.3から1μmで、

多くは細長い糸状の鞭毛(べんもう)をもっていますが、

それがない種類もあります。
(鞭毛:泳ぐのに必要な糸状の尾ひれのようなもの。
分かりやすく言うと、雄の精子についている尻尾のようなアレも鞭毛です)

細菌は体が2つに分裂して増殖します。

増殖の早さは、極めて大きく、30から60分ごとに分裂しまくるので、

適当な温度条件の下では、爆発的に蔓延します。


・細菌病の種類

細菌病は、かかる場所によって、次の3つの型に分けることが出来ます。

柔組織病:細菌が作物の柔組織に侵入して、斑点・葉枯れ・軟腐(なんぷ)・潰瘍などを起こします。
(病名:イネ白葉枯れ病・ミカン潰瘍病、
野菜軟腐病(白菜によく見られる病気で、根元部分が茶色くドロドロした状態になる)・キュウリ斑点細菌病・モモせん孔性細菌病・キャベツ黒腐れ病など)

道管病:細菌が作物の道管内に侵入して増殖し、周囲の組織を破壊して道管を詰まらせ、水分の上昇をさまたげるので、そこから向こうがしおれることになります。
(道管:茎の中を通っている水分を送る管のこと。また、栄養を運ぶ師管と言うものがあり、これら2つを総称して維管束(いかんそく)と言う。
収穫したての健康なキュウリのヘタ部分を見ると、維管束から水が出てくるのが分かる。本体の茎部分も同じく。維管束自体も見えなくもありません。)
(病名:ナス・トマトの青枯れ病、ジャガイモ輪腐れ病・ユリ立ち枯れ病・タバコ立ち枯れ病など)

増生病:細菌が出すホルモンの作用で細胞が大きくなり、組織の一部が異常に肥大してごぶ状になります。決して、「大きくなった、ラッキー」ではありません。虫が潜り込んでいるような気持ち悪い形になります。
(病名:カキ・ナシ・クリ・ブドウ・リンゴなどやニンジン・ナガイモなどの根頭癌腫病(こんとうがんしゅびょう)など)


・細菌の伝染

細菌は、太陽光線や乾燥に弱く、多くは被害作物の組織内や土中など、

水分の多い場所で生活しています。

作物への伝染は、雨や川、灌漑水あるいは土中に混じって運ばれることが多く、

なかには種苗や昆虫によって伝染する場合もあります。
(長靴の底についた土を払わず、そのまま別の畑に行くと細菌やカビ、ウイルスを運んだことになります。同じ畑でも植えてある作物によってそれぞれ土壌環境は違うので、畑だけでなく作物ごとに長靴を使い分けたりすれば万全な対策と言えるでしょう。)

細菌は、カビのように作物の表皮をつき破って侵入する器官を持っていません。

つまり、作物体内への侵入は、作物の表面に出来る傷口や

水孔・皮目(ひもく)・蜜腺などの自然開口部や

保護層の発達していない根冠や根毛などから入ってくることになるわけです。
(水孔:気孔と同じように葉っぱについています。吸収しすぎた水(雨のとき)を吐き出す口です。泥水なんかを葉っぱに飛ばすとそこから侵入を許すことになります)
(皮目:木にある表皮の切れ目のこと)
(蜜腺:文字通り蜜を出すところです)

次回はウイルスの話です。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.adovonext.com/app/mt-tb.cgi/508

コメントする