【農業の雑学】第12回目「害虫と農薬」その2

| コメント(0) | トラックバック(0)

山梨は今日も暑いです。

どうも標です。

多分7月下旬がピークです。

・・・と思いたいです。

いろんな意味で頑張りましょう。

それでは前回の続きです。


1.作物をとりまく生物(続き)

畑には害虫ほど種類はいませんが、

作物にとって非常に大切な役割をしている生物がいます。

大きく分けて4つに分けることが出来ます。


・鳥類
畑ではときどき、ツグミやヒヨドリ、シジュウカラなどといった

野生の小鳥を見ることがあります。

これらの鳥は本来、山林や草原などの自然の中で生活していますが、

餌を求めて畑にやってきます。

鳥は穀物や果実を食べますが、作物の害虫なども食べてくれるので、

害虫の天敵としての役割も大きいです。

まだ実っていない時期には小鳥さんに来ていただいて、

成熟しだしたらお帰り願う。
(人間って勝手だなと思いつつも)


・天敵
害虫を食べたり、その体に寄生する生物を天敵と言います。

畑には鳥類の他に、カエルやトカゲ、クモ、テントウムシ、ハチなどの

肉食性の小動物が生息し、害虫の異常な繁殖を防いでくれています。

この中で、「ハチ?」と思われた方がいると思います。

ハチの中にはチョウやガの幼虫を捕まえてきて、

自分の幼虫の餌にする種類がいます。

代表的なのはとっくりバチです。

泥で作られたとっくりの形をした巣に卵を産みます。

そして、毒針で麻痺させたチョウやガの幼虫を連れてきて、

孵化した幼虫の餌にしています。

余談ですが、

孵化したあと幼虫は、親が用意した餌を食べ、

成虫のハチとなって巣から飛び立ちます。

つまり、とっくりバチは子育てをしません。

そして子供は親の顔を知らずに育ち、一生を終えます。

また親も成長した我が子を見ることはありません。

もちろん、誰に教わったわけでもないのに、子供は、

またとっくりの巣を作って幼虫を捕まえてきます。

自然界の不思議を感じさせつつも、なんだか切ないですよね・・・。

(ちなみに、ほとんどの虫は子育てをしません)


・花粉媒介昆虫
チョウやハチ、アブなど、花に集まって作物の受粉を助けてくれる昆虫を

花粉媒介昆虫と言います。

これらの中で有名なのがミツバチの仲間のマルハナバチです。

マルハナバチは他のハチに比べて毛に覆われており、

体に非常に花粉が良く付きます。

主に、受粉のためにハウス内に放たれています。

危害(捕まえるとか)を加えない限り刺しませんし、

近くにいても向かってくることはありません。

このハチは非常に優秀ですので、

商品として売っていますし、飼っている農家もいます。


・土壌微生物
土の中には、多種多様な微生物が複雑に入り込んでいます。

その多くは、最終的には土の中の有機物を分解して、

作物の栄養を供給していますが、中には病原微生物に攻撃して、

その繁殖を抑えるものもいます。

ミミズやダンゴムシ等とははたらきが似ていますが、

彼らには病原微生物を攻撃するはたらきはありませんからちょっと違います。

微生物でもありませんし。

(続く)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.adovonext.com/app/mt-tb.cgi/503

コメントする