【農業の雑学】第3回目(メロンはなぜ高いのか その3)

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どうも標です。

3回目です。

今日はいよいよ、引っ張りに引っ張った技術のお話です。

まぁ、大きなくくりで技術とは言いましたが、

前回最後に使った言葉「手法」と言うのが一番近いかもしれません・・・。

さて、まず何から話そうかと考えましたが、

とりあえず、成長過程から順々に追っていくことにします。


メロンの苗の定植後、苗の周りに手の平くらいの幅の溝を、

苗を囲うようにして掘ります。深さは指の第一間接程度です。

今後、その溝へ水をやっていくわけですが、

それだけではなくいろいろなカラクリがあります。

まず、根と言うものは下に伸びますが、

栄養を吸収する根毛(毛のような根。ちなみに「毛根」は髪の毛のほう)

は横に広がります。

ですから、溝の下にちょうど根毛が来ており、

ダイレクトに吸収させることが出来ます。

また、必要なところにしか水が行かないので、根腐れにもなりにくくなります。

そして、追肥のときもその溝が大いに役に立ちます。

肥料は水をやった際に溶け出して栄養となる、と言うのはあたりまえの話です。

ただ撒いただけでは、その真下にある根しか栄養を取り込むことが出来ません。

そこでこの溝が生きてきます。

溝に肥料を撒く

水をやる

溝に水が溜まる

肥料が溶け出す

栄養を含んだ水が万遍なく浸透する。

このようにして、栄養の吸収率を高めます。

他には、溝へ水をやるので、メロンの茎周りの土はいつも乾燥状態になります。

この乾燥状態は常に保っていく必要があります。

こうすることによって、病気にかかりにくくなります。

湿気があると何かと病原菌が発生しますので。


以上、たかが溝を作るだけで、これだけの意味があります。

これは草花にも言えることで、

ホースやジョウロで真上から水をかけてしまいますが、

本当は良くないです。

売り物にする花の大半は温室で育て、雨風に当たらないようにしています。

それと全く同じと言うわけではありませんが、

メロンの場合はデリケートな上に、前回お話したとおり

1つしか収穫できませんから、

やれる処置は全て施すわけです。

これが「メロンを作ることが出来ればどんな作物も作れる」と言われている

経緯です。

さて、少し長くなってしまいましたので、技術改め、手法の話は

分割したいと思います。

「ありえない手法」と言うのもまた今度と言うことになってしまいました。

次回もお楽しみに。

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